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論文

The Damage analysis for irradiation tolerant spin-driven thermoelectric device based on single-crystalline Y$$_3$$Fe$$_5$$O$$_{12}$$/Pt heterostructures

家田 淳一; 岡安 悟; 針井 一哉*; 小畠 雅明; 吉井 賢資; 福田 竜生; 石田 真彦*; 齊藤 英治

IEEE Transactions on Magnetics, 58(8), p.1301106_1 - 1301106_6, 2022/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:22.45(Engineering, Electrical & Electronic)

スピンゼーベック効果(SSE)に基づくスピン駆動熱電(STE)デバイスと、熱源としての放射性同位元素の組み合わせは、宇宙探査機の電源などの応用における次世代の発電方法としての可能性を秘めている。しかし、スピン熱電デバイスの照射耐性を示す利用可能な知識は非常に限られている。重イオンビーム加速器と硬X線光電子分光法(HAXPES)測定を使用した分析を通じて、Y$$_3$$Fe$$_5$$O$$_{12}$$/Ptヘテロ構造に基づく典型的なSTEデバイスが高エネルギー重イオンビームの照射に対する耐性を持つことを検証する。使用済み核燃料の表面から放出される核分裂生成物による累積損傷をモデル化した320MeVの金イオンビームを使用し、線量レベルを変えることにより、SSE要素の熱電および磁気特性が$$10^{10}$$イオン/cm$$^2$$フルエンスまでのイオン照射線量の影響を受けず、イオントラックがサンプル表面をほぼ完全に覆う約$$10^{12}$$イオン/cm$$^2$$でSSE信号が消滅することを確認した。さらに、HAXPES測定は、Y$$_3$$Fe$$_5$$O$$_{12}$$/Pt界面への影響を理解するために実行した。HAXPES測定は、SSE信号を減少させる化学反応が照射線量の増加とともに強化されることを示唆している。過酷な環境使用に適用できるより優れたSTEデバイスを開発するために、Y$$_3$$Fe$$_5$$O$$_{12}$$/Ptで損傷分析の現在の理解を共有したい。

論文

Relation between biomolecular dissociation and energy of secondary electrons generated in liquid water by fast heavy ions

土田 秀次*; 甲斐 健師; 北島 謙生*; 松谷 悠佑; 間嶋 拓也*; 斎藤 学*

European Physical Journal D, 74(10), p.212_1 - 212_7, 2020/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:17.64(Optics)

水中における生体分子と重イオンの相互作用による基礎研究は、放射線生物影響の初期段階の解明へ向けて重要な知見を与えることが期待される。その中で、生体環境を模擬した真空中の液滴標的への重イオン照射実験が進められ、液滴から真空中に飛び出した生体分子グリシンの正イオン及び負イオンの生成収量が計測されているが、その生成メカニズムは未解明であった。そこで、PHITSのイオン飛跡構造解析モードを利用し、重イオンが真空から水に侵入した界面におけるエネルギー付与量を評価し、グリシンの正イオン及び負イオン分子が生成されるメカニズムを解析した。その結果、重イオン照射により発生した2次電子が関与する電離・励起、及び解離性電子付着の誘発量は、生成されたグリシンの正イオン及び負イオンの生成収量と相関があることを見出した。本成果は、放射線生物影響の初期段階の解明へ向けて、新たな科学的知見となるものである。

論文

Tolerance of spin-Seebeck thermoelectricity against irradiation by swift heavy ions

岡安 悟; 針井 一哉*; 小畠 雅明; 吉井 賢資; 福田 竜生; 石田 真彦*; 家田 淳一; 齊藤 英治

Journal of Applied Physics, 128(8), p.083902_1 - 083902_7, 2020/08

AA2020-0071.pdf:0.69MB

 被引用回数:3 パーセンタイル:19.49(Physics, Applied)

The ion-irradiation tolerance of thermoelectric devices based on the spin Seebeck effect (SSE) was investigated by using 320 MeV gold ion (Au$$^{24+}$$) beams modeling cumulative damages due to fission products emitted from the surface of spent nuclear fuels. For this purpose, prototypical Pt/Y$$_3$$Fe$$_5$$O$$_{12}$$/Gd$$_3$$Ga$$_5$$O$$_{12}$$ SSE elements were irradiated with varying the dose level at room temperature and measured the SSE voltage of them. We confirmed that the thermoelectric and magnetic properties of the SSE elements are not affected by the ion-irradiation up to $$10^{10}$$ ions/cm$$^2$$ fluence and that the SSE signal is extinguished around $$10^{12}$$ ions/cm$$^2$$, in which the ion tracks almost fully cover the sample surface. We also performed the hard X-ray photoemission spectroscopy (HAXPES) measurements to understand the effects at the interface of Pt/Y$$_3$$Fe$$_5$$O$$_{12}$$. The HAXPES measurements suggest that the chemical reaction that diminishes the SSE signals is enhanced with the increase of the irradiation dose. The present study demonstrates that SSE-based devices are applicable to thermoelectric generation even in harsh environments for a long time period.

論文

Ion beam irradiation has different influences on superoxide dismutase activity in cultured human retinal vascular endothelial cells between $$^{12}$$C and $$^{4}$$He

明尾 潔*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 明尾 庸子*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 80, 2015/03

イオンビームがヒト培養網膜色素上皮細胞に及ぼす影響を明らかにするために、異なる核種のイオンビームで照射した細胞におけるSuperoxide Dismutase (SOD)活性の測定を実施した。ヒト培養網膜血管内皮細胞にヘリウムイオンビーム、および炭素イオンビームを照射し、照射後0, 4, 8, 24時間後に細胞を採取した。この細胞試料にSODアッセイバッファを加えて凍結解凍を繰り返すことで溶解した細胞抽出液のSOD活性を、ルミノールアッセイ法を用いて定量した。その結果、ヘリウムイオンビームを照射した細胞試料では、照射後の時間経過に伴いSOD活性の低下が進むことが認められたが、炭素イオンビームを照射した細胞では、照射24時間後にSOD活性が上昇することが明らかになった。この結果は、ヘリウムイオンと炭素イオンでは、照射後のSOD活性に及ぼす影響が異なることを示唆する。

論文

Immunofluorescence observation of oxidative damage of DNA induced by heavy ions from TIARA

北畠 里実*; 後田 藤太*; 平山 亮一*; 古澤 佳也*; 舟山 知夫; 横田 裕一郎; 岡畑 恵雄*; 伊藤 敦*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 86, 2015/03

高LETイオンビームの特異な生物作用は、その飛跡に沿ったエネルギー付与分布のトラック構造が原因であると言われている。そこで、トラック構造を構成するコア領域とペナンブラ領域それぞれの生物作用を明らかにするために、それらがDNAに誘発する損傷の可視化を行った。本研究では、不溶性DNAシートの作製プロトコルを確立すると共に、高LETイオンビームで照射した後に生じる代表的なDNA酸化損傷である8-ヒドロキシグアニンの分布の可視化を試みた。実験では、不溶性DNAシートを原子力機構TIARAのプロトンおよびネオンイオンビームで照射した後、8-ヒドロキシグアニン特異的抗体と蛍光二次抗体で処理することで損傷の可視化を試みた。予備的な実験の結果では、照射したDNAシート上にドット状の蛍光が観察され、これがイオン照射で生じたDNA損傷由来である可能性が示唆された。

論文

High energy heavy ion induced structural disorder in Li$$_{2}$$TiO$$_{3}$$

中沢 哲也; 内藤 明*; 有賀 武夫; Grismanovs, V.*; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏*; 實川 資朗

Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1398 - 1403, 2007/08

 被引用回数:43 パーセンタイル:92.87(Materials Science, Multidisciplinary)

高エネルギーXeイオンを照射したLi$$_{2}$$TiO$$_{3}$$の構造変化をラマン分光法を用いて調べた。Li$$_{2}$$TiO$$_{3}$$のラマン信号強度が照射により減少した。ラマン信号強度の減少は構造単位(TiO$$_{6}$$, LiO$$_{6}$$, LiO$$_{4}$$)におけるTiやLi周辺の酸素原子の配置に関する秩序の消失、すなわち無秩序化に起因している。このような構造単位の無秩序化は照射量や電子的エネルギー付与量より電子的阻止能と密接に関連していることが示された。

論文

Electrical conductivity increase of Al-doped ZnO films induced by high-energy-heavy ions

須貝 宏行; 松波 紀明*; 福岡 修*; 左高 正雄; 加藤 輝雄; 岡安 悟; 志村 哲生*; 田沢 真人*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 250(1-2), p.291 - 294, 2006/09

 被引用回数:15 パーセンタイル:70.56(Instruments & Instrumentation)

AlドープZnO(AZO)半導体薄膜は、電気伝導性及び可視光透過性に優れ、低コストで環境負荷の軽い透明電極材料として応用研究が行われている。熱的過程では限界があるAZO薄膜の電気特性向上を試みて、高エネルギー重イオン照射を行った。RFマグネトロンスッパター法により作製したAZO薄膜は、Al/Zn組成比4%,膜厚0.3$$mu$$mであった。フルーエンス4$$times$$10$$^{13}$$/cm$$^{2}$$まで100MeV Xeイオンを照射すると、電気伝導度は1.5$$times$$10$$^{2}$$から8$$times$$10$$^{2}$$S/cmまで単調に増加した。このような電気伝導度の増加は、100keV Neイオン照射の場合にも観測しているが、100keV Neイオン照射の場合には、フルーエンス3$$times$$10$$^{16}$$/cm$$^{2}$$(深さ0.1$$mu$$mのレンジ付近で、7dpa)で電気伝導度が最大となった。100MeV Xeイオン照射の場合、フルーエンス4$$times$$10$$^{13}$$/cm$$^{2}$$におけるdpaは0.008となるので、100MeV Xeイオン照射における電気伝導度の増加は、電子励起効果によると考えられる。

論文

Irradiation effects with 100 MeV Xe ions on optical properties of Al-doped ZnO films

福岡 修*; 松波 紀明*; 田沢 真人*; 志村 哲生*; 左高 正雄; 須貝 宏行; 岡安 悟

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 250(1-2), p.295 - 299, 2006/09

 被引用回数:24 パーセンタイル:83(Instruments & Instrumentation)

AlドープZnO(AZO)半導体薄膜は、電気伝導性及び可視光透過性に優れ、低コストで環境負荷の軽い透明電極材料として応用研究が行われている。熱的過程では限界があるAZO薄膜の電気特性向上を試みて、高エネルギー重イオン照射を行い、光学特性の変化を調べた。RFマグネトロンスッパター法により作製したAZO薄膜は、Al/Zn組成比4%,膜厚0.3$$mu$$mであった。フルーエンス4$$times$$10$$^{13}$$/cm$$^{2}$$までの100MeV Xeイオン照射により、電子励起効果によると考えられる電気伝導度の増加(1.5$$times$$10$$^{2}$$から8$$times$$10$$^{2}$$S/cm)を観測したが、照射前後の吸光度測定及びX線回折測定によると、可視光透過率及び結晶性に大きな変化はなかった。

論文

High-injection carrier dynamics generated by MeV heavy ions impacting high-speed photodetectors

Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 伊藤 久義

Journal of Applied Physics, 98(1), p.013530_1 - 013530_14, 2005/07

 被引用回数:45 パーセンタイル:80.59(Physics, Applied)

放射線環境で使用される高速光検出器に高エネルギーイオンが入射すると、信号に雑音が入り、情報伝達に支障が発生する。このようなシングルイベント現象は、高エネルギーイオンで誘起する高密度の電子・正孔対(プラズマ)の動的挙動と密接に関連する。本研究では、Si pinフォトダイオードにMeV級重イオンを照射し、発生する電子・正孔プラズマの動的挙動を調べ、その過渡応答特性を評価した。実験には複数のイオン種を使用し、その飛程が等しくなるようにエネルギーを調整して照射を行い、過渡応答特性のプラズマ密度依存性を解析した。その結果、過渡応答特性は次の3つのフェーズに分類できることを見いだした。すなわち(a)素子固有の周波数帯域でキャリアの移動が制限される領域,(b)キャリアがアンバイポーラ両極性拡散によって広がる領域,(c)キャリアが空乏層領域の電界によりドリフト運動する領域。

論文

Effect of $$gamma$$-irradiation on latent tracks of polyethylene terephthalate (PET) film

廣木 章博; 浅野 雅春; 八巻 徹也; 吉田 勝

Chemical Physics Letters, 406(1-3), p.188 - 191, 2005/04

 被引用回数:10 パーセンタイル:33.01(Chemistry, Physical)

本論文では、重イオン照射したポリエチレンテレフタレート(PET)膜の潜在飛跡に及ぼす$$gamma$$線照射の影響を検討した。Xeイオン照射したPET膜にエッチングの前処理として$$gamma$$線を0-160kGy照射し、その後、70$$^{circ}$$C, 0.2M NaOH溶液中で所定時間エッチングを行い、イオン穿孔膜を作製した。イオン穿孔膜の孔径を、走査型電子顕微鏡(SEM)観察と電気伝導度測定により求めた。その結果、$$gamma$$線照射線量の増加に伴い、SEM観察により得られた孔径は減少し、一方、電気伝導度測定により得られた孔径は増大することがわかった。観察手法の違いにより生じた孔径の不一致は、$$gamma$$線照射により潜在飛跡内に生じた架橋構造に起因していると考察した。

論文

Evidence for a hard gap and Wigner lattice in heavily boron-doped synthetic diamond

須藤 智子*; 大橋 一利*; 佐藤 俊麿*; 太田 英二*; 岡安 悟; 須貝 宏行

Physical Review B, 71(4), p.045211_1 - 045211_7, 2005/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.2(Materials Science, Multidisciplinary)

高濃度ボロンドープしたダイヤモンド半導体単結晶にタンデム加速器からの150MeVリンイオンを照射することにより、ダイヤモンド半導体単結晶の電気抵抗率が30K以下でのみ増加することを見いだした。さらに、この高濃度ボロンドープした人工ダイヤモンド結晶の電気抵抗率と1/fノイズスペクトルを20Kから300Kまで測定し、30Kから60Kまでは10meVのエネルギー幅を持つハードギャップが存在し、30K以下では6meVのエネルギー幅を持つWignerギャップが存在することを明らかにした。リンイオン照射による30K以下での抵抗率増加は、結晶の乱れに起因するWignerギャップの消失によると考えられる。以上の結果から、70年前にWignerが予想した、3次元個体中で伝導電子が規則配列した状態であるWigner格子が、30K以下の高濃度ボロンドープした人工ダイヤモンド単結晶中で実現していることを示した。

論文

Gas-permeation control by PET membranes with nanosized pores

高橋 周一*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 仲川 勤*

Polymer Journal, 36(1), p.50 - 53, 2004/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:12.7(Polymer Science)

ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは気体透過に対して、高いバリアー性を有している。そこで、高い透過性と選択性をPETフィルムに付与する目的で、イオン照射・エッチング処理技術を用いてナノサイズの孔径を持つイオン穿孔膜を作製した。PETフィルムは12$$mu$$m厚さを用いた。イオン照射はXeイオン(450MeV)を3$$times$$10$$^{9}$$ions/cm$$^{2}$$のフルエンスの条件で行った。エッチング処理は、6Nあるいは1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて、60$$^{circ}$$Cで行った。6Nで120秒以上エッチング処理したイオン照射PETフィルムは、気体透過係数と気体の分子量の平方根の関係から、クヌーセン流れの膜であることがわかった。このことから、これらのフィルムの孔径は1$$sim$$5nm程度と推察した。ちなみに、ナノ孔径測定機器(乾燥したヘリウムガスを用いた透過から測定)を用いて測定したフィルム孔径は、1.5$$sim$$3.8(エッチング処理時間:120秒), 3.8$$sim$$5.0(同:135秒)であった。

論文

Defect structure of high-T$$_{c}$$ superconductor by high-energy heavy ion irradiation

笹瀬 雅人; 岡安 悟; 倉田 博基; 北條 喜一

Journal of Electron Microscopy, 51(Supple), p.S235 - S238, 2002/00

照射イオンの電子励起によるエネルギー損失(-dE/dx)と円柱状欠陥の大きさとの関係を調べ、Time Dependence Line Source モデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量を計算した。その結果、照射エネルギーの増加とともに電子励起によるエネルギー損失量が増加して、生成した円柱状欠陥の直径が8.4nmから16nmに増加することが明らかとなった。また、TEM観察の結果と電子励起によるエネルギー損失量をもとに、Time Dependence Line Sourceモデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量(=電子励起によるエネルギー損失量)を計算した。その結果、イオン照射により付与されたエネルギーの1/3が円柱状欠陥生成に寄与していることが明らかとなった。

論文

Pinning property change of high-energy heavy-ion irradiated Bi$$_{2}$$Sr$$_{2}$$CaCu$$_{2}$$O$$_{8+x}$$ single crystals due to thermal annealing

荻窪 光慈*; 中野 牧人*; 寺井 隆幸*; 山口 憲司; 山脇 道夫*

Physica C, 357-360(Part.1), p.280 - 283, 2001/09

Si$$_{2}$$Sr$$_{2}$$CaCu$$_{2}$$O$$_{8+x}$$単結晶の高エネルギー重イオン照射とその後の熱アニールによるピン止め特性の変化ついて報告する。重イオン照射(200MeV Auもしくは500MeV Kr; 5$$times$$10$$^{10}$$~5$$times$$10$$^{11}$$cm$$^{-2}$$)後、試料を大気中でアニールした。臨界電流密度($$J_{C}$$)のフルエンス依存性と、$$J_{C}$$と見かけのピン止めエネルギー(U$$_{0}$$$$^{*}$$)のアニール時間に対する依存性は、Au照射とKr照射とでは様相が異なっており、照射によって生成する柱状欠陥の形,数や、回復挙動との違いと密接に関係していた。

論文

Observation of individual vortices trapped along columnar defects in high-temperature superconductors

外村 彰*; 葛西 裕人*; 上村 理*; 松田 強*; 原田 研*; 中山 有里*; 下山 淳*; 岸尾 光二*; 花栗 哲郎*; 北沢 宏一*; et al.

Nature, 412(6847), p.620 - 622, 2001/08

 被引用回数:104 パーセンタイル:94.34(Multidisciplinary Sciences)

高温超伝導体中の磁束量子はわずかな力で動き出してしまうため超伝導が壊れてしまう。重イオンを照射して円柱状欠陥を導入すると、そこに磁束量子が捕まり高温高磁場まで超伝導を保持するようになる。このような状態の磁束量子を1MVのフィールドエミッション型ローレンツ顕微鏡を用いて直接観測をし、高温超伝導体中での磁束量子のふるまいを調べた。円柱状欠陥を試料C軸から傾けた配置で導入したところ、2種類の磁束量子が観察された。一つは試料に垂直に(C軸に平行)存在し、もう一つは導入した円柱状欠陥に沿って存在している。後者は非常に安定して存在しているが、驚くべきことに温度を下げて10K前後になると、この欠陥に沿っていた磁束量子も試料に垂直に存在するように変化することがわかった。

論文

In situ measurements of transport characteristics in heavy-ion irradiated YBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$Oy under magnetic field

石川 法人; 末吉 哲郎*; 岩瀬 彰宏; 知見 康弘; 藤吉 孝則*; 宮原 邦幸*; 木須 隆暢*

Physica B; Condensed Matter, 284-288(Part1), p.873 - 874, 2000/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:22.15(Physics, Condensed Matter)

YBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$Oy薄膜に、200MeVのAuイオンを照射し、スプレー柱状欠陥を試料内に導入した。臨界電流密度の磁場角度依存性をその場測定した結果、磁場角度がc軸方向の位置に臨界電流密度のピークが1つ現れることを見いだした。

論文

Defect structure of high-T$$_{c}$$ superconductor by high-energy heavy ion irradiation

笹瀬 雅人; 佐藤 高広*; 岡安 悟; 倉田 博基; 北條 喜一

Advances in Superconductivity XII, p.314 - 316, 2000/00

重イオンによる固体中でのエネルギー付与は、高エネルギーで高密度電子励起により、低エネルギーで原子変位により行われる。金属の場合電子励起は損傷形成に寄与しないが、半導体や絶縁体、超伝導体で円柱状欠陥を形成する。特に酸化物高温超伝導体の場合、この円柱状欠陥が磁束のピン止め点として有効に作用し、J$$_{c}$$の向上を促す。酸化物超伝導体中に形成される円柱状欠陥の形成機構を明らかにするために、照射イオンのエネルギー付与量(dE/dx)の効果を電顕観察により調べ、観察結果の理論的な考察をTime Dependence Line Source Model (TDLSM)により行った。その結果、照射エネルギーの増加とともに、円柱状欠陥の直径が8.4nm~16nmに変化した。この電顕観察結果とTRIMコードにより計算したdE/dxをもとに、TDLSMにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量を計算した。イオン照射により付与されたエネルギーの1/3が円柱状欠陥生成に寄与していた。

論文

Recoupling vortices due to columnar defects in 3.5GeV Xe-irradiated QMG-YBCO

岡安 悟; 黒田 直志*; 岩瀬 彰宏; 神原 正*

Advances in Superconductivity XI, p.287 - 290, 1999/00

3.5GeVの高エネルギーイオンを照射し円柱状欠陥を導入したQMG-YBCO(溶融法で作製したY系超伝導体)の超伝導特性の変化を調べた。この試料はもともと多くのピン止め中心を含んでいるため臨界電流密度に顕著な差は出なかったが、磁化の緩和に大きな違いが出た。40~50Kの温度において照射量に相当する磁場(B$$_{phi}$$=2ステラ)以上の磁場で一旦進んだ緩和が元に戻る現象が見られた。これは磁束ピン止めのホストがもともと存在している析出物から、照射により導入した円柱状欠陥に変わったためと考えられる。この物質は大きな磁化緩和で知られているが、この場合は高い磁場でも緩和が押さえられる。

論文

Vortex dynamics in Bi$$_{2+x}$$Sr$$_{2-(x+y)}$$La$$_{y}$$CuO$$_{6+delta}$$ and Bi$$_{2}$$Sr$$_{2}$$CaCu$$_{2}$$O$$_{y}$$ irradiated with heavy-ions; Correlation between the Bose-glass behavior and the coupling of pancake vortices

黒田 直志*; 石川 法人; 岡安 悟; 岩瀬 彰宏; 池田 博*; 吉崎 亮造*; 神原 正*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 146(1-4), p.572 - 576, 1998/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)

重イオン照射されたBi系超伝導体において、交流帯磁率の損失ピークの周波数依存性が測定された。Bi-2212単結晶においてボーズグラス転移が表れるが、Bi-2201単結晶においては表れなかった。これは、Bi-2201単結晶の異方性が非常に小さいことに起因している。

論文

Effect of Au$$^{24+}$$ ion irradiation on the superconductive properties and microstructure of EuBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{x}$$ thin film

笹瀬 雅人*; 岡安 悟; 倉田 博基; 北條 喜一

Surface & Coatings Technology, 103-104, p.360 - 364, 1998/00

高エネルギー重イオン照射によって導入された超伝導薄膜内の微細欠陥は、磁束ピン止め点として有効に作用することが知られている。しかし、ピン止め点の制御を考えた場合、イオン照射により生成される様々な欠陥形状や分布とピン止め点作用との関係を明らかにすることが重要である。本研究では、EuBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{x}$$薄膜にエネルギーの異なるAu$$^{24+}$$イオン照射を行い、照射による超伝導特性の変化と導入された欠陥構造の関係について検討し、照射による導入欠陥の超伝導特性への影響について結果が得られたので報告を行う。

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